4年目のフィールドワーク2日目(2025年)

茨城県立並木中等教育学校フィールドワーク2日目は、バスで島の外周を巡りました。

 

最初に立ち寄ったのは、「泉津の切り通し」です。

3年前の初回フィールドワークではバスで素通りしたのですが、その時、生徒さんたちが近くで見られなくて、と〜っても残念そうだったので、翌年からは立ち寄ることにしました。


続いて、「極相林」と呼ばれる成熟した森が広がる神社へ。

倒木が道を塞いでいて驚きましたが、そのまま奥へ進み、森の様子を観察しました。


その後は歩いて海岸へ向かい、

潮風や強い日差しの中で生きる植物たちの、特徴を見ていきました。


次に訪れたのは筆島です。
波が火山を削ることで、過去の地下のマグマの動きがわかる場所ですが、この時は生徒さんから質問が途切れず、答えるのに精一杯で、景色の写真は一枚もありません(笑)。


ただ、最後に生徒さんたちがマルバシャリンバイの実を味見して、「硬くてまずい!」と言っていたので、私も種を観察して写真だけ撮りました。

なるほど、果肉が少なくて種子が大きいのですね。

(図鑑に追加しよう!)

 

その後は、火口の中に人が暮らす「波浮港」の展望台へ。


ここでは波浮港について調べてきた生徒さんが、年号まで正確に説明してくれて感心しました。

港を作り上げた「スーパーヒーロー」秋廣平六氏の像の前でポーズ。

楽し〜💕


お弁当は、芝生の広がるトウシキ園地で。

雨天時のことも考えて、屋根付きの場所を選んだのですが、この日は気持ちのよい青空。

生徒さんたちは芝生に輪になって座り、とても穏やかな昼食時間となりました。
先生も「最高の天気ですね!」と嬉しそうで、私も嬉しかったです❣️


次は「学び」よりも「弾ける時間」として、“砂の浜へ!(やっぱり楽しくないとね😆)

半分近くの生徒さんが裸足になり、

波と遊んでいました。

中には、素敵な模様の入った石を見つけ、私に教えてくれたり

ハート形の石を撮影したスマホ画面を、見せてくれた生徒さんもいました!

💕😍

 

そして、最後の締めは、地層大切断面!

地滑り、カルデラ噴火、海底から隆起した直後の爆発的噴火など、過去に起きた様々な現象を読み取りながら、端から端まで歩きました。


楽しい時間はアッという間に過ぎ去り、帰る時間に😢
見送りに行くと、船の1階席の窓越しに、生徒さんたちが手を振ってくれました。

富士山を背景に、みんなを乗せた船が本土へ帰っていく光景は、なんだか美しすぎました。

❤️


今回のフィールドワークは40名以上の応募があり、抽選で選ばれた生徒さんが参加したそうです。


先生は「ここほど教育効果の高い場所は他にないのでは?」と言ってくださっていて、伊豆大島のサイズ感、多様な環境、地球の活動を実感できる風景、そして生きものたちの物語を高く評価してくれています。

その思いが生徒さんにも伝わるのか、積極的に学ぼうとする姿がとても印象的でした。

私自身も、生徒さんたちの発見や視点、元気な姿に、たくさんパワーをもらいました。
参加してくれた皆さん、本当にありがとうございました!

 

伊豆大島で過ごした時間が、皆さんにとって大事な思い出の一つになりますように❣️

 

(かな)

 

アカウソ

前の冬には確認できなかったアカウソに、今季は早々に出会うことができました。

昨日の撮影です。

 

 

見つけた時はオスとメスのペアでいて、近くから別個体の声も聴こえてきていました。

優しく響くあの声!

脳内で再生するだけでも存分に癒されます。

 

 

メスのシックな装いも十分ステキですが・・・

 

 

 

 

やっぱり薄紅色のオスを多く撮ってしまいます。

一冬中いてくれると嬉しいです。

 

がんま

4年目のフィルドワーク・1日目

日本の研究機関が集中している筑波市にあり、保護者の方々にも研究者が多いという並木中等教育学校の3年生〜5年生のフィールドワークが、11月1日から3日間の日程で行われ、私はそのうちの2日間のガイドを担当しました。

 

毎年ですが、事前準備が大充実していて、産総研の川辺先生(伊豆大島火山地質図を作られた火山専門家)と、 筑波大学の上條先生(伊豆諸島の植物を中心に研究されている植物専門家) の二人から、事前に講義を受けてから、来島されています。

さらに今回は、夜行船で到着した日にジオノスで半日調べ学習、半日は山田先生(伊豆大島のジオガイドで元理科の先生)のガイドと、とても丁寧な準備をされてからのツアー参加でした。

 

そして11月2日、いよいよ最も火山を感じられる「火口〜裏砂漠のツアー」へ!

今年は4年生(高校1年生)たちが大きなマイクを下げて、ずっと頑張って持ち歩いてくれました。

植物を調べてきている生徒さんもいたので、上條先生の資料に出てくるであろう植物は紹介して歩きました。

みんな現物を興味深そうに観察。

 

それぞれが「野帳」と言われるメモ帳を持っていて、いろいろメモりながら歩いていきました。

大きな左巻きのかたつむりも発見。(この日は左巻きが多かったです)

 

溶岩の上では、「なぜゴツゴツした溶岩と、つるつるしたパホイホイ溶岩があるのか」という話に。

一生懸命説明したのですが、やはり本物を前にしてもイメージが難しい様子。

お菓子に例えようとしましたが、全く同じものはないので余計混乱しそう…。これからは、ハワイのアア溶岩動画を、その場で見てもらうことにします!

 

好奇心旺盛な生徒さんたちからは、次々に「これはなんですか?」と質問が。(下の写真は、枯れたイタドリの茎)

急坂では、元気にダッシュ

そして、なんと山の上のトイレ休憩時では、生徒さんがドボン・ザブン・ヒラリ(伊豆大島ジオパークのキャラクター)の基本ポーズを再現してくれました!

いや〜、面白い!!🤣

 

暖かい地面に触り、

伊豆大島に似た石があるよ」と伝えたら、中央の穴(カルデラ)に、石を詰めて、三原山を再現(?)

火口を見た後は、皆で記念写真。

確か「カルデラを作ろう」って言われた気がしたのですが、輪っか作っている人少なかった(笑)

 

ススキがキラキラしてて、その中に人が入ると、息をのむような美しさでした

キラキラと言えばもちろん、裏砂漠にいっぱい転がっている“キラキラ光る石”は大人気。

火山弾の割れたパーツを組み合わせて、半分ぐらい完成させている生徒さんもいました。

「探す時間があったら、元の形を復元できるかも」と、ちょっと残念そうでした。

 

火口から勢いよく噴き出したマグマが、空中で引き延ばされて細い髪の毛のようになるので、ハワイでは「ペレの毛」と呼ばれる細長いマグマの破片も探しました。

昨年も一昨年も、先輩たちがやっていたイベント(?)なので、その時の光景を思い出しました。

「自分で探す」って楽しいですよね。

 

そして、裏砂漠では、男子がかっこいいジャンプ!

この後「全員で飛ぼう」と言うことになりまして…「いくらなんでも、24人がタイミング合わせるのは無理では?」と思ったのですが、頑張ってみんなで飛びました。

若干タイミングがずれていたけれど、2枚合わせれば全員飛んでます!

すごい😆

 

“いつか森になる道”では、たぶん事前勉強に出てきたであろう“ニオイウツギ”を紹介。(右上4分の1を占めている木が、それです)

「これ、本当に咲くんですか?」という素直な感想が、とても面白かったです。(確かに咲いている姿が想像できない枯れ具合でした😆)

 

ということで、元気に8時間ツアーを歩き切りました!

最後まで途切れない生徒さんたちの好奇心が、とても楽しい一日でした。

みんな、ありがとう〜❣️

(やっぱり、知識と好奇心があると、楽しみの幅が広がりますね!)

 

(かな)

 

Let's go to Ura-Sabaku!

大島に通ってくださっている海外出身のダイビンググループのみなさんのご紹介で、

Thanks to an introduction from an international diving group who regularly visits Oshima,

大人5名、お子様4名を裏砂漠へご案内しました!

I had the pleasure of guiding a group of five adults and four children to Ura-Sabaku (Back Desert)!

 

11月7日、三連休の最終日は強風が心配されましたが、

On November 7th, the last day of the three-day weekend, we were a little worried about strong winds,

道中は風も穏やかで、青空が広がる気持ちのいい一日でした☀️

but the trail turned out to be calm, and we enjoyed a beautifully clear and pleasant day.

 

元気いっぱいに歩き始めたものの、4歳のお子様ふたりは途中で少し疲れてしまい、

Everyone started off full of energy, but the two 4-year-olds became a bit tired along the way,

ジオロックガーデンの手前でお父さまと一緒に待つことに。

so they waited with one of the fathers just before Geo Rock Garden.

他の皆さんで裏砂漠を目指しました。
The rest of the group continued on toward Ura-Sabaku.

 

青い空と黒い大地、そして風にそよぐススキのコントラストがとても美しく、

The contrast of the blue sky, the black volcanic landscape, and the Japanese silver grass swaying in the wind was breathtaking.

 

滞在時間は短めでしたが、きらきら光る石を観察したり、

Although our stay there was brief, we enjoyed observing the glittering stones,

 

記念写真を撮ったりしながら、

taking commemorative photos,

 

一期一会の裏砂漠の風景を楽しんでいただけました✨

and appreciating the unique, once-in-a-lifetime scenery of Ura-Sabaku.

 

2時間半という限られた時間でしたが、

Even within the limited time of just two and a half hours,

火山がつくり出した雄大な大地の景観を堪能していただけて、

本当によかったです!

I’m truly glad everyone was able to experience the magnificent landscape shaped by volcanic activity.

 

海も山も地球のエネルギーを感じる世界が広がる伊豆大島

On Izu Oshima, both the sea and the mountains offer worlds where you can really feel the Earth’s energy.

7歳のお子さまたちにも興味深くご質問いただきながら楽しく歩きました。

The two 7-year-olds walked with great curiosity, asking thoughtful questions along the way.

新たな視点で自然を感じるお子さまたちに感心しました。

I was impressed by how the children experienced nature from fresh perspectives.

 

ガイドをご依頼いただきありがとうございました😌💕

Thank you very much for requesting a guided tour!

 

(ユリカ)

秋色、いろいろ💕

11月2日(月)は、2組3名のお客様と裏砂漠へ。

 

森の中では、シロダモの花が、華やかに咲いていました。

一人旅の若い女性は、デザイン関係のお仕事とのこと。オオバヤシャブシの木を、皆んなで観察し、

均整が取れて美しい「葉っぱのデザイン」を、楽しみました。

 

クリスマスツリーのような形の苔と、オレンジ色の小さなキノコと、地衣類の胞子嚢(薄緑色のカップ型)を見つけたときには、

「バランスはどうかな?」とは思いつつも、可愛いので、お客様と共有。

 

鳩の形に見える溶岩も、キラキラのススキに飾られて、なんだかゴージャスだったし、

裏砂漠も視界が開けて、爽快でした!(風は強かったけれど)

一人旅の女性は、「日頃は室内の仕事が多いので、何もないところに行きたい」と言うのが第一希望だったそう。何もない黒い大地の真ん中に、立っていただけて良かったです。

 

冠雪が始まった富士山も、クッキリ!

デザインの仕事をされている女性が「こんな角度の写真が素敵ですよ」と、私に代わって写真を撮ってくれました。

良い感じでした〜💕

 

他にも、ハチジョウアキノキリンソウの黄色や、

オオムラサキシキブの実の紫色、

だんだん赤さが増すサルトリイバラなどなど、

秋色満載で、楽しく歩きました!

一緒に楽しい時間を作ってくださったお客様に感謝です💕


観察メモ
歩き始め、温泉ホテル駐車場奥の地層に、赤い小さなダニ(カベアナタカラダニと思われる)が歩いているのを発見!

今までの撮影は7月が多く(通常は4〜7月に多いとされる)、11月に見られたのは少し珍しく感じたので、記録として残しておきます。

 

(かな)

 

Island Biology エクスカーション下見 2日目

2026年に行われるIsland Biology エクスカーションの下見2日目は、島外周の、いくつかの候補地を回りながら、見どころや観察ポイントを確認しました。

場所ごとに、観察したもの、「!」と思ったものを記録しておきます。

 

笠松(島東側の切り立った海岸)

海岸植生を観察しながら「どこまで行って折り返すか」を相談しましたが、「この先も行きたくなるね」と全員の意見が一致。

😅

ここでは、タブノキキセルガイが多く付いていることを教えてもらいました。

これ以外にも何匹か、ついていました!!

🤩

 

波治加麻神社(極相林)
境内の地面には黒いかたまりが落ちており、「キョンのフンかな?」と皆で観察。

「意外と硬いのは、なぜなのか?」

その謎を解くべく、みなさんで観察されていました!

 

今まで1年中元気な緑色だった「ヘラシダ」の多くが枯れていて驚きました。

猛暑と7〜8月の雨が少なかったのが原因でしょうか??


同行されていたクサギの研究者の方から、「クサギが地下に伸ばした根から若葉を出す」ことを教えていただきました。

「こうやって繁殖していくのか!」と驚きました。

 

赤禿(海岸沿いのスコリア丘)

ワダンの花が咲き始め、ブーケみたいで可愛かったです。

テリハノイバラの実も、かわいらしいカップ形で感動的でした。

スイカズラには、緑色でツヤツヤの実ができていて、これまで花しか注目していなかったことに気づきました。

また、海岸型のツリガネニンジン(ハマシャジン)もたくさん見られました。

他の植物に埋もれたハマシャジンを、どんどん見つけていくみなさん。

この後、マイマイカブリのほぼ完全な亡骸も発見されていました!

楽し〜💕

 

野田浜

砂浜と溶岩の岩場の両方が見られるので、この場所を選びました。

溶岩地帯ではタマキビ(小さな巻貝)が、少なくとも3種類見られ、最も多いのはイボタマキビとのことでした。

この日の下見の結果、「ぶらっとハウス」や「泉津切り通し」など、一般の人に人気の観光スポットではなく、環境の異なる上記4か所を、時間をかけて、じっくり観察するコースを回ることになりました。

 

本番のツアーまでに、まだ何度か、下見を重ねることになりそうです。
そのたびに新しい発見がありそうで、今からとても楽しみです。

 

(かな)

 

千葉先生と溶岩

1986年噴火で割れ目噴火の現場に遭遇し、島に残って観測を続けてくれた火山学者の千葉先生が、岡田港のトリックアート前に登場!

 

噴石をキャッチしたり

スコップで掘ったりしてくれました🤣

リアルすぎる!🤣(2025年10月29日、31日)

 

(かな)