海鳥観察会

海鳥講習会の翌日は、大型船に乗って海鳥を観察しながら、伊豆大島〜新島を往復しました。


船の上から、さっそく何羽ものオオミズナギドリが飛ぶ姿を観察!(下の写真は平田さんにいただきました)

前日の講演で、海鳥の効率の良い飛び方を学んでいたので、「あ〜本当だ!」と納得しながら、楽しく見ることができました。

 

親指を使って海鳥までの距離を測る方法も教えてもらいました。

親指の先を水平線に合わせるのがコツみたいです☺️

 

新島では、港のすぐ横の浜辺を散策。
大島の黒い砂とは違い、白いつぶつぶが混ざった砂です!

ここに今年の夏、ウミネコが巣を作り卵を産んでいたようです。

砂浜の一部に広がる草の中で、「これが巣の跡です」と教えてくれました。

言われてみれば確かに、なんとなく草を敷き詰めたような跡も…(教えてもらわなければ気づかなかったかも?)

浜辺では、ハマゴウや

コウボウムギなど伊豆大島と共通の植物のほか、

グンバイヒルガオが鮮やかに咲き誇り、目を引きました。

伊豆大島では見かけない植物…。なぜ、大島にいないのでしょうか??

 

その後、かつて新島で爬虫類の調査をされていた長谷川雅美先生の案内で、藪の中へ!


伊豆大島と似た植物が多いのですが、大島では見つからない植物もいました。


「親水公園」では、湧水が滝のように流れる景観にも驚きました。

伊豆大島にも湧水はありますが、ここほど大量には出ていないような気がします。

 

生き物も、人の暮らしも、少しずつ違う火山の島。

そして、島間を自由に行き来する海鳥たち…。

生きものも、人も、火山も、多様で面白いです!

 

講演を企画された環境省の皆さま、ジオパーク推進委員会の皆さま、楽しい機会をありがとうございました。

 

(かな)

 

青空の秋の1日ツアー

6日(月)に、千葉からお越しのお客様と一緒に三原山〜裏砂漠を歩いてきました!

 

三原山の山頂には雲がかかっていて、

「ルートは様子を見ながら決めましょう」とお話していたのですが…

 

 

あれよあれよという間に雲が流れ、三原山の稜線がくっきりと姿を現しました!

 

歩いていくうちにあたりは太陽が降り注ぎ、空は一面の青空に!

 

伊豆半島側には富士山も見えて、爽やかな秋の景色が広がりました☀️

 

道中では、これから“仙人のひげ”のような綿毛が伸びていくセンニンソウの種や、

 

ひっそり顔をのぞかせるナンバンギセルなど、小さな発見もたくさんありました!

 

青空に映える三原神社の参道も本当に素敵でした✨

 

鳥居の横の岩を見て「おまんじゅうみたい!」とお客様。

たしかに…お腹がすいてきますね😋

 

 

その後はお鉢巡りへ進み、火山と海が織りなすダイナミックな景色を満喫!

 

火口ではエチオピアアイスランドなど、世界各地の火山を訪れたことのあるお客様にも「オー!」と感嘆の声をいただき、私も嬉しくなりました😇

 

写真で見ると、空を覆う平らな雲が空の天井のようにも見えます。

 

歩いているとき場所によって違った表情が楽しめるのも三原山の魅力です✨

 

そして裏砂漠に到着!

イタドリがどんどん増えていて、植物たちの生命力のたくましさを感じます。

 

最後に少し驚きの報告を!

 

ジオロックガーデンで“顔はめ岩”として紹介していたあの岩が…

なくなっていました!

だんだん穴が大きくなって、いつか崩れるかもと思っていたのですが、

ついに崩れ落ちたようです😣

 

自然は常に形を変えているのということをあらためて感じました。

 

 

わたしにとっても久しぶりの1日ツアーで

青空とススキの穂が印象的な秋らしいツアーとなりました。

ご参加くださったお客様、本当にありがとうございました😌

 

(ユリカ)

海鳥講習会

10月3日(金)、千葉県立中央博物館分館「海の博物館」研究員の鳥類学者、平田和彦さんによる講演会が、ジオノスで開催されました。


題名は、「海鳥の目線で探る伊豆諸島の魅力」

平田さんは以前、下北ジオパークの専門員として活動していたころから存じ上げていましたが、語りのうまさは折り紙つき。今回の講演も、とても楽しみにしていました。

 

平田さんは、海鳥のことを写真やパフォーマンスで紹介するだけでなく、自作の俳句まで披露!🤣

そう。鳥のうんちは宝物だそうで、かつて農業肥料だったリン鉱石の原料にもなったそうです。

伊豆大島のすぐ隣の島「利島」では、オオミズナギドリの繁殖が確認されており、地形によって、人と鳥が上手に住み分けているそうです・

利島から、なんと北海道まで飛んでいき、餌を食べて戻ってくるとのこと!

その移動距離には、びっくりです!(遠距離飛行ができる理由は、体の構造や飛び方にあるそうです)

 

海鳥は、小鳥に比べて長生きで

他の小動物と比べても、ずいぶん寿命が長いようです。

 

講習では、途中で、いきなり鳥肉の写真が登場!

「飛ぶときに使われる筋肉の話」で、むね肉とささみの違いを解説しながら、聴衆にも体を動かしてもらう参加型の講習。

「むね肉! ささみ! むね肉! ささみ!」と、平田さんの声のリズムに合わせて、みんなで立って、手をバタバタ。かなりインパクトのある光景でした🤣🤣🤣

 

オオミズナギドリの飛び方も、実演してくれました!

https://youtu.be/a5QY_xklVbg

 

「へ〜!」や「なるほど!」がいっぱいで、海鳥を身近に感じた時間となりました❣️

講演会は40名以上の参加があったそうです。

 

翌日は、早朝発の大型船で、新島〜伊豆大島間を往復しました。

この時のことは、また後日報告します。

 

…と、このブログを公開した後、私がよく理解できていなかったことを平田さんが見抜き、「オオミズナギドリの寿命と餌場と飛び方」の話について、整理して教えてくれました。

とてもわかりやすいので、この場で共有させていただきます!

①海鳥は寿命が長いけど一度の繁殖で育てられる雛の数は少ない
②生涯に残せる子孫の数を増やすには長生き(=子育てだけでなく自身の体調管理)が大事
③近海では雛用に高頻度で与える餌を取り、北海道沖では自分用に脂の乗ったサンマやイワシを食い溜めして体力を回復
④長い翼でうまく風に乗り、揚力と位置エネルギーでほとんど羽ばたかずに省エネで長距離移動できるから、北海道まで行ける
⑤親鳥の長旅中に空腹に耐えた雛には、親鳥が胃内で魚の脂を凝縮した胃油が与えられる

 

日々忙しい中で、海鳥の正しい情報を伝えるために手間を惜しまない平田さんの、研究者魂に感動しました❣️☺️

 

(かな)

 

タイミング良し!

二組で3名のお客様と、三原山に登ってきました。

 

夜中に雨が降っていたせいか湿度が高く、カタツムリが歩道をのんびり這っていました。(合計2匹いました)

お客様が「こんなところにいたら踏まれてしまう」と心配されていたので、杭の上へワープさせてあげました。(余計なお世話だったかも?)

 

空には雲が多く、「雨に降られずに火口も見えますように」と願いつつ、あちこち立ち寄りながら進みました。

この日も、イガアザミの花は、虫たちに大人気。

先日よりもハチやアブ、小さなチョウが増え、騒がしいせいか、私の大好きなハナグモは少なめ(合計3匹だけ)。

それでも、チョウ(イチモンジセセリ)と同じ花に乗っているシーンが見られたり、

小さな獲物を捕まえている場面にも出会いました。

獲物があまりに小さくてピントは合いませんでしたが(体長1mmほど)、アリではなくアブラムシのようでした。

 

そして、今年初登場のアサギマダラ!

秋の渡りの時期でしょうか?

長旅をしてきたとは思えないほど、翅の美しい個体でした。

 

お客様は、「ゴジラ岩」と同じポーズをとって遊んだり、

ご夫婦で協力して手に乗せたりと、楽しい時間が続きました。

 

開花途中のアシタバの花。

まだ少し、花の時期が続きそうです!

 

心配していた雨もなく、火口もくっきり!

一番若くて背の高いお客様が、みんなのために、できるだけ高い位置から写真を撮ってくれました!これです。↓

ススキと火口のコラボは、秋らしくて本当に素敵でした。

その風景を目の前に、ティータイムを楽しみ、

私たちだけの、贅沢なひとときを過ごしました。

 

そして「そろそろ帰りましょうか」と歩き出した途端、雲が流れてきて、あたりは霧に包まれていきました。

なんというタイミングの良さ!
三原山さんに感謝しながら、帰りは楽しくおしゃべりして戻りました。

 

楽しい時間を、一緒に過ごしてくださったお客様に感謝💕

 

(かな)

 

テリハノブドウ

一昨日のブログで紹介したシチトウエビズルと同じブドウ科なのに、こちらは「食べられない」と言われているテリハノブドウ


6月には若葉がどんどん伸び、

1.5mmほどの小さな蕾が、たくさん付きました。

ひとつひとつの花は、オシベもメシベもある両性花。

花弁は5枚が基本ですが、ときどき例外も。

やがて花弁が落ちると、盃のような台が残り、そこから蜜が出るようで、虫たちに人気です。

 

葉には毛がなく、同じ場所に生えているのに、エビズルとはずいぶん違っていて不思議です。

左がテリハノブドウ、右がシチトウエビズル。


果実は黒く熟すエビズルと違い、多色使い💕

可愛らしくて、きれいですが、食べてみたら酸味も甘みもなく、正直まずかったです(笑)。

並んでいたら、絶対エビズルの果実を選びますね。


似て非なるものが、横に並んで生えている……。生き物の進化って本当に不思議です。

どちらが子孫を残すのに、有利なのでしょうか?

 

「生きもの図鑑」に「テリハノブドウ」を掲載しました。

テリハノブドウ(照葉野葡萄)(ブドウ科) – いきもの図鑑|グローバルネイチャークラブ

 

(かな)

 

ツバメ、まだいます!

まぁ、例年通りです。

大島では10月の半ばくらいまではもっと北にいたツバメたちが通過していきます。

昨日は10羽以上を観ることができました。

 

かなりのスピードで飛び回るツバメを撮るのは大変でしたが、もうすぐお別れなのでがんばりました。

ご覧下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

ツバメたちは海岸沿いをビュンビュン飛んで虫を食べていました。

ちっとも鳴かなかったのが寂しかったです。

 

まだまだ続く長い旅。

どうか無事に目的地まで行けますように!

 

がんま