ウミネコ


 台風は去って天気はよくなったものの、今日は朝から風が強い一日でした。

 荒れた海を双眼鏡で見てみると、遠くにオオミズナギドリが次から次へと一方向に向かって飛んでいきます。するとその視野のずいぶん手前を横切って行く鳥が居ます。ミズナギドリのようなスマート(?)な飛び方ではなくゆったりとはばたいて飛んでいます。この時期なら、それは十中八九ウミネコでしょう。

 ほとんどの種類が冬鳥のカモメ類の中で、伊豆諸島で夏でも見られるのは通常ウミネコだけです。ウミネコは日本各地に集団繁殖地(コロニー)が知られていますが、伊豆大島から一番近いコロニーは式根島にあります。カモメ類はどちらかというと北方系の鳥なのでもしや式根島は南限の繁殖地か?と思ったのですが、南限の繁殖地は鹿児島県下甑島にありました。惜しい!(?)

 カモメ類では国内でかなり普通に見られるこのウミネコさんは、実は世界的にはかなり分布が限られている鳥で、日本の周辺のほかは朝鮮半島ユーラシア大陸日本海沿岸など極東に限られるので外国人の愛鳥家には喜ばれます。日本各地のコロニーは天然記念物に指定されている場所もあります。

 どこの港にもうじゃうじゃ居て目つきも悪いウミネコさんですが、明日からは大切にしてあげてください。(?!)

(あまの)