犬の散歩で外に出たら、枯れたエノコログサにシャーベット状の雪が乗っていました。

土に落ちたヤブツバキの花にも、まだ溶けきらないシャリシャリした感じの
氷のようなものが詰まっていました。

大島でこの寒さでは、地震で避難生活をしている方達はどれほど大変なことでしょう。
明日は灯油がスムーズに届いて、暖をとることができますように。
私が下ばかり向いて歩いていたら、頭上ですごく澄んだ鳥の声がしました。
ヤマガラのオスです。

私の目の前の木に止まり、誇らしげに歌っていました。
雪がやんだと思ったらアッという間に雲が流れて、青空も顔を見せていました。
鳥の声に誘われて見上げた空の青さが、とてもまぶしく感じました。
散歩を終え家に帰ったら、家の回りに這いあがっているキヅタに、
新しい葉が伸びていることに気がつきました。

若々しい黄緑色が点々と混ざっています。
壁にもたれかかって体を支えながら、空を目指している葉もありました。

寒くて辛い冬を耐えた植物たちは皆、着々と芽吹きはじめました。
今回の地震では、多くの方が亡くなり、そして今も飢えや寒さの中で
たくさんの方がつらい時間を過ごされています。
原発による放射能汚染も、関係者の方々の命がけの作業にも関わらず、
先が見えません。
電力不足による停電は様々な企業に影響を及ぼし、
観光の島・大島もかなり深刻な影響を受けそうです。
私たちの店も、今日、今月いっぱいの休業を決めました。
4月以降の先ゆきも、全く読めません。
でも…こんな時だからこそ、自然の中の一瞬のキラメキを見つけて、
この場で紹介していきたいです。
私が若いころから、何かあると思いだす、心に残っている言葉があります。
「たとえ明日、世界が滅亡しようとも、今日、私はリンゴの木を植える」
こんな気持ちで生きたいなぁ~、と思います。
(カナ)