もともと火山の勉強をする計画でしたが、今回は特に台風26号の災害を中心に教えてもらいました。

昨日は室内講義でONC会員とジオパーク研究会、あわせて34名の参加がありました。
講義で印象に残ったこと。
○カリウムの量を量ることで、基盤の火山が南西部にもあることがわかってきた。
○噴火が三原山の火口から始まる時は、マグマが出てきやすい構造になっているために体に感じる地震などの前兆現象は少ない。(観測でわかる程度)一方、割れ目噴火は新しく地面を割りながらマグマが上昇するので地震がおこる。
○沖合10kmまで大島からのマグマが行っている。伊豆半島の火山からのマグマが大島の近くまで来ている場所もある。(マグマって地中の血管みたいですね…)
○島の南の海底にある大室ダシは直径8kmのカルデラを持つ流紋岩の活火山。
○レーザー空中測量で詳しい地形がわかるようになり、1338年に元町地区を広範囲に覆う溶岩を流した「割れ目火口」の位置は、以下のように書き換えられることになる。

黄色部分がその時の噴火で降り積もった溶岩。ピンクが低い方に流れ出した溶岩流。そしてこの上をこの時の火山灰が覆い、さらにその上に次の噴火の火山灰が積もっていた。空から降ったものは急傾斜に溜まると階段状に落ち込む。今回崩れたのはほとんどが1338年に始まった噴火で降った火山灰の上。
○今回の災害はほとんどが表層崩壊だが、火山では起こりえること。
昨年の阿蘇のカルデラ、鹿児島のシラス災害は、ほとんどが表層崩壊、等など…。
(講義内容が断片的でスミマセン)
続いて今日のフィールドです。
今日は御神火スカイラインを上から下まで歩き、昨日学んだことを実際に観察する予定でした。

しかし…道路の復旧工事が始まり重機が入っていたため、結局行程半分で引き返しました。
倒木は片付けられ土砂は脇に寄せられて、景色はすっかり変わっていました。

もうすっかり普通の道路です。
転がっていた小さなかけらを拾って1700年前にカルデラを作った時の噴火を想像し…

土砂の高まりの向こうに広がる景色を観察しました。

土砂が削った斜面は、その後の雨で少し削れているのではないかという意見も出ました。

光線の加減でしょうか?
少し凹凸が大きくなったような気もしました…。(気のせい?)
「今残っている斜面は崩れないか?」という質問もありました。

「植物はまだ若く根も深く入ってはいないことから、少しずつ崩れる可能性はあるだろう」
「ではどういう対応ができるのか?」…そんなことを周りの人と話し合いました。
ほぼ折り返し地点では、昨日説明を受けた「1338年の割れ目噴火で斜面に降り積もった溶岩(やや赤い)と、その上に積もった火山灰」がむき出しになっていました。

1338年割れ目噴火の火山灰の上の火山灰層は、ほとんど残っていないようです。
それに確かに階段状になっているような…。
車道沿いの壁には、水蒸気が出ているような暖かい場所もありました。
交代で手を入れて暖かさを体感します。

以前歩いて下った経験を持つ人によると、所々に暖かい場所があるとのこと。
島全体が火山なんですよね…。
全て歩き終わった後、山頂口バス休憩所裏の地層を見に行きました。そこでは、島全体に積っていると言われるカルデラができたときの約1700年前の火砕流の後が観察できました。

この大きさの石を運ぶことができるのは,計算すると時速100km以上のスピードなのだそうです。こういうことが起きる可能性があるということを、しっかり覚えて伝えなければ。
川辺氏は終わりの挨拶で「火山は恵みもある変わりに時々大変なこともするけれど、それとどうつき合いながら暮らすか…それを考える上でよく知ることが大切」と話してくれました。(言葉は違いますが、こういう内容でした)
そして帰りの車の中では「普通の人は山は崩れないと思っているんですよね。僕たち地質屋は『山は崩れる』と思っている…そこが違うんですよね」とも…。
本当にそうですね。
「山は崩れるもの」という前提のもとに、今後のことを考えていかなければ…。
ところで話題は全く変わりますが…第1回住民セミナーの結果がまとまり、伊豆大島ジオパークのHP上に公開されました。講義内容、質疑応答など載っていますので興味のある方はご覧ください。
http://www.izu-oshima.or.jp/geopark/pdf/seminar.pdf
(いずれ全島民にお知らせできるよう,方法を検討中のようです)
(カナ)