三原ちゃん ニューハーフ 5歳(人間だと24~25歳)

おとなしくて優しい馬です。
椿ちゃん メス 8歳(人間だと30歳ぐらい)

鼻筋の白いラインが素敵な美人さんです。
ここが馬達の新居です。

「小屋が簡素すぎるんじゃないかなぁ?」と、心配になってプロの方達に聞いたら「本来野生の動物なのでこれで充分」なのだそうです。
北海道から来た馬達だから、今日の大島は適温なのだそう。
逆に暖かく過保護にすると、汗をかいて風邪をひくのだそうです。
小屋から出して運動場に入れたら、とても嬉しそうでした。

2頭はとても仲良しです。

ペロペロ舐めあっていました。
そして少し運動場で過ごさせたあと、週末の練習のため山頂へ。
実は今回のモニターツアーでは、ガイドは横を歩くだけのはずでした…が話しは急展開し、プロの人たちがいる間(モニターツアー終了まで)に、ガイドもできるだけ馬の扱いを覚えた方が良い、という話しになったのです。
馬を馬車につなぐためには、ずいぶん色々な道具がいるようです。

「これは、この向きで…」とプロの方の説明が始まりました。
「口のこの部分に手を入れると、歯がないから噛まれないんです」

(な、なるほど…。しかし私がやったら絶対、指を噛まれる気がする…。)
ロープの結び方も決まっているそうです。

解けにくくて、いざという時には解ける結び方。
あと少しで、全て装着終了。

馬車のリズムで揺られながら歩く三原山は、なかなか快適でした。

手綱も実際に持ってみました。
指の掛け方はこのように…。

手綱を持つより横に並んで歩く方が、リズムの調節が難しかったです。
ところで今回の馬車事業は、大島島内でロバを飼っている舞踏家のA氏が、4月以降も引き続き事業を行うということで話しが進んでいたようです。でもA氏は舞踏家であり、馬のプロではありません。
4月以降のことが、心配になってきました。
で、昼休みに「何年ぐらいで一人前に馬を扱えるようになるんですか?」と聞いてみました。
そうしたら「まあ数年でなんとか扱えるようにはなりますが、馬は1頭1頭個性も違うし、生き物だから毎日変化します。何10年も馬を扱っている僕らでも、毎日が勉強なんです。」との答え。ううむ…ますます心配になってきました…。
そんなこんなの会話の後、ちょっとビックリする話しを聞きました。
なんと大島に大規模な土砂災害をもたらした台風26号は、北海道にも大雨を降らせ、“三原ちゃん”の暮らしていた牧場も水につかって、30頭の馬が流されてしまったそうです。
“三原ちゃん”は調教中で別の小屋にいたから流されなかったけれど、首まで水につかりながら3日間、飲まず食わずで生き抜いたのだそうです。
「だから大島の話しを聞いて他人事とは思えなくて…これは特別な縁だと思います。だから来たんですよ。本当は馬を納めるだけでも良いのですけど、応援したいと思って。」と、北海道から来たプロの方が語ってくれました。
首まで水につかりながら3日間…そんな経験をしたんですね。

頑張ったなぁ~(感動)
この話しを聞いてから、私の中で完全に何かのスイッチが入ってしまいました。
もももと仕事を増やしすぎるたちなので少しセーブしようと思っていたのですが、三原ちゃんには大島で幸せに暮らしてもらいたい…と、俄然そんな気持ちになってきました。
誰かが馬をひきついで仕事が軌道に乗るまで、Aさんを助けながらチームで馬を世話して行くことはできないか?考えはじめています。どうでしょう?島内の方でどなたか、一緒にチームに入れそうな方はいないでしょうか?
もしも「手伝う」という気持ちを持ってくださる方は、ぜひ下記アドレスにご連絡ください。
gon-kana@amber.plala.or.jp
「台風災害を生き抜いた馬」が、大島のジオツアーの中の一役を担ってくれたら、とても素敵なツアーができそうです。
(カナ)