まず午前中ですが、15分間時間をいただいて伊豆大島を紹介しました。

南紀熊野は7000~2000万年前、海底の底に沈んだ砂や泥、生き物の死骸などが、海洋プレートが沈み込む時に陸地に押し付けられたり巨大噴火をしたりして作られた古~い大地。一方、伊豆大島は約5万年前に海底300mぐらいに誕生した若い火山。
スター的存在の地層にも、こんなに年の差が・・・

(右はフェニックス褶曲と言われる2000万年~4000万年前の地層だそうです)
午後の基調講演は2つあり、1つめは・・・

内容は「プレートテクトニクスの話。過去の地震と津波の話。長径120kmぐらいと世界最大級の巨大なカルデラがこの地域に存在していたらしいこと。クリーンエネルギーとしてのメタンハイドレードの存在。南海トラフは非常に危険な場所だが、地震活動は資源エネルギーの宝庫にもなる。地球の営みとどう使っていくのか。」などなど。
2つめの基調講演は・・・

中川氏が各地のジオパークで「これは!」と思った、面白いガイドや子供達の言葉など、動画もたくさん盛り込みながら、紹介してくれました。面白かったです。
そして後半のトークセッションでは、室戸、南紀熊野、伊豆半島、伊豆大島、銚子の5つのジオパークが、黒潮に関連させて、各地の様子を語りました。

どんなことが、話し合われたかと言うと・・・
黒潮の基本
「黒潮は幅が100キロ、深さ1000m以上、流量は1秒に5000万トン。風が作る流れで、北太平洋では右回りで流れ、海の温度を北に持ち上げている。串本の海に珊瑚群落があるのは黒潮の流れそのもの。黒潮に乗ってカツオやマグロ、鯨や亀が回遊し、ゴミも流れ着く。漁法や醤油は鰹節が紀伊の国から千葉に伝わったと聞いている。『勝浦』『白浜』の地名は房総にもある。」
捕鯨や漁業
「熊野灘の太地には、ちょうど良い高台と、ちょうど良い港がとても近くにあったから、捕鯨で栄えた。それが室戸にも伝わった。伊豆半島と銚子では、今は捕鯨はされていないがクジラの位牌やイルカの供養塔など、過去に捕鯨が行われていた記録がある。」
伊豆大島ではクジラ漁は聞いたことがありません。皆さんの話を聞いて「なぜだろう?」と考えて、伊豆大島はかつて流人の島でもあり島抜けを防止するために、船を持つことにも制限があったようなので、捕鯨が行われなかったのかも・・・と考えましたが・・・どうなのでしょう?
一方、鯨以外にも伊豆大島に全国の漁師町の歌が、300ぐらい歌い継がれて残っていたり、日本で一番の水揚げ量を誇る銚子に、かつて紀州から130人ぐらいが訪れ、新しい漁法や醤油作りの技術を伝え、碁盤目状の街並みを整備してくれたりした・・・など黒潮が結ぶ人の交流もあったようです。
炭
「室戸、串本の海岸には沢山のウバメガシが生え、それで備長炭が焼かれている。室戸では最近、備長炭が若者の重要な仕事の場として注目されてもいる。伊豆半島は備長炭は作っていないがウバメガシは海岸沿いに生えている。銚子では備長炭は作られていない。」
今回のフォーラムのために事前に調べたら、ウバメガシは大島にも八丈島や新島、神津島にも、まったく自生していませんでした。室戸の友人がウバメガシのタネを海水に沈めたら100%沈んだようです。一方、伊豆大島では椿が高級炭として焼かれており、タネは海水に数日浮かべた物が発芽することも証明されています。・・・もしかしたら、ウバメガシは陸路で伝わり、椿は海流に乗って広がったとか?・・・炭をひとつとっても違いがあって、その理由を考えると面白いです。
自然災害
どの地域も、台風やプレートの動きによる地震、津波、土砂崩れ、土石流、崖崩れなどの自然災害と身近な場所で暮らしています。それぞれの災害や対策について語りました。そしてジオパークを進めることで、防災意識が高めていきたいという意見に大いに共感できました。
さて、この南紀熊野ジオパークフェスタには、少なくとも1000人以上の方の参加があったようです。他地域を知ることで、その違いを知り、自分の個性を知ることができます。さらに「黒潮」のような共通テーマで繋がる物語を探すことも、とても楽しいなぁと思いました。
(カナ)