山でも少しずつ開花が始まりましたが、まだ固いツボミもたくさんあります。

そしてその固いツボミと一緒に、昨年の実もついています。
(右上にツボミが、その下に開いた昨年の実があります)

じっくり見ていたら「なんで花の時期になっても昨年の実が残っているのだろう?」と不思議になりました。
「きっと理由があるはず・・・もしかしたらまだタネが残っているのでは?」そんな疑問が頭に浮かび、調べてみることにしました。
やっぱり・・・

タネはまだ、残っていました。
ガクアジサイも・・・

タネが残っていました!


・・・ということは、今年の若葉と昨年の実が一緒に伸びるニオイウツギも同じかも?

中を調べて見たら、こちらは『タネらしきもの』が詰まっていました。

『らしきもの』というのは、タネそのものではなく、タネがコーティングされているもののように見えるからなのですが・・・
どうなのでしょう?

ますます興味がわいて、今度は噴火で焼け野原になった後に、いち早く再生するオオバヤシャブシに注目してみました。

緑の葉が出ても、まだいっぱい小さな茶色い実が残っています。
あら?
割れている?

あまり割れた実を見た記憶がなかったので、最初は「鳥の仕業?」と思ったのですが・・・
真ん中が割れているのは1つや2つではありませんでした。

2つに割れた実には、まだタネが少し残っていましたが・・・

足元には今年の雄花(芋虫のように見えるもの)に混ざって、割れた実が落ちていました。

割れた実は、そうでないものより明らかに、乾燥して折れやすくなっているようでした。
1年経って花の受粉が終わり、雄花が散る今の季節が、古い実を落とす時期なのでしょうか?
1年間、枯れた実を残す植物は、ニオイウツギ、オオバヤシャブシ、ハチジョウイタドリ、オオシマツツジ、ガクアジサイなど、厳しい環境で生きるパイオニアの植物たち・・・
もしかしたら枯れた実が1年間残っているのは、生きるための戦略なのかもしれません。
タネが長く残れば、風の向き、強さ、雨の量など、様々な気象条件にの中でタネを散布し続けることになり、それだけ様々な環境で生き抜く強い個体が現れるような気がします。
花は華やかで見ていて楽しいけれど、植物たちの生き残り戦略も、とても面白いです。

今度は『昨年の実の落ちる時期』にも注目しながら、歩きたいと思います。
最後に、お知らせです。
4月14日から産業技術総合研究所の地質標本館で「春の特別展」が始まりました。
展示テーマは「伊豆大島火山 -火山の恵みと2013年の土砂災害-」
展示は6月28日まで行われ、その後日本全国の火山系博物館で巡回展示されます。
伊豆大島ジオパーク推進委員会でも、気象庁、大島支庁、教育委員会、ガイドが写真と文章を持ち寄り、パネル数枚分の原稿作りに協力させてもらいました。
機会があればぜひ、お立ち寄りください!
https://www.gsj.jp/Muse/exhibition/index.html
(カナ)