『大島ならではの宝物』現地観察会1日目

2月8日のブログで嶋田も報告していますが、2月6日~8日に、島内8地区を回る現地観察会が行われました。(全体スケジュールなどは、こちらをご覧くださいhttp://izuoshima-geopark.seesaa.net/article/433045264.html

この観察会は、昨年 12 月の地区別ワークショップで出された「地域のお宝」を、実際に現地に行って観察し、さらに専門家の先生方のアドバイスを受けて科学的価値を明確にすることを目的に実施されました。(そのわりに聞き取れていない私(^_^;)

今日から3回シリーズでワークショップの様子を報告したいと思います。

まずは1日目、2月6日(土) の報告です。
この日は石川芳治先生 (東京農工大学・砂防工学)、川邉禎久先生(産業技術総合研究所・火山地質学)が同行してくださいました。

9:00~11:00 差木地地区(島の南西部) 参加者 17名 
シカマガ滝
大雨の時に現れる滝で『お化けがでる』と言われ、村人はあまり近づかなかった場所とされています。

うっそうとして昼なお暗い森が『お化け』の発想を生んだのでしょうか?

なんで水はけの良い伊豆大島で、こんな『大雨の時の滝』ができたのでしょう?
川辺先生によると「硫黄分と水が反応すると石膏を作るので硬くなる」とのこと。
…っていうことは、マグマ水蒸気爆発の名残?

一番上に別の噴火(3500年ぐらい前?)でできた溶岩流が乗っているとのこと。


周辺には2つの小さな石祠があって共に『噴火鎮めの神』と言われているそう。

現在もそれぞれに世話をしている家が有るとのことです。

沢の崖の上の、イヌマキの巨木が大人気でした。

横に倒れ、枝と枝がくっついた状態で生きてます…
参加者一同でほめたたえ、しばし撮影大会となりました~。

観音堂
薪船の出船の時に海上の無事を祈って船主や船員の家族が集まりお供えをし、歌や踊りを踊った場所とのこと。

ここには樹齢800年を超えると言われるタブノキの巨木があり、都の天然記念物にも指定されています。

もとここにあった寺は大正時代に焼失したとされていますが、この木は生木だから生き残ったのでしょうか?

巨木を見下ろすように「六方石」と呼ばれる柱のような形の溶岩が置かれているけれど、大島のものかどうかハッキリしないとのことでした。


海側から観音堂へ向かう何気ない小道が、島らしくて素敵でした。


差木地漁協からのびる海岸線
溶岩が流れ、火山灰が積もり、また溶岩が流れて島を成長させることが良くわかる風景に見とれました。

初めて歩く海岸線でしたが、これから近くを通ったら寄ってみるのもいいなぁと思いました。

神の根、潮吹き
こちらも火山島らしいダイナミックな風景でした。


人間、小さい!(^_^;


12:00~14:00 野増地区(島の西部)参加者18名
カッパの池
水はけの良い大島にあって、昔から水が涸れないで『カッパの池』
「飲んではいけない」と言われていた水を飲んでカッパに連れ去られた少女の伝説が残る場所でもあります。

今は道路工事でせき止められて池になっているけれど、元々は湧き水のある場所だったとのこと。なぜ「飲んではいけない」と言われて来たかは、もう少し調べる必要がありそうです。

龍の口遺跡
縄文時代中期の遺跡が見つかる場所。
海岸沿いは足場が悪いので、要注意ですが…


5m位の溶岩流の下に…


黒曜石のカケラや土器のカケラ…


葉っぱの化石などが見つかって、みんなで夢中になりました。


「今は海が荒れたら波が当たるこの場所も、昔は海岸がもう少し遠くて安全な場所だったのではないか?」という話も出ました。

縄文人もこうやって海を見ていたのかなぁ~と思いながら海を眺めました。

15:00~17:00 元町町地区(島の西部)参加者 14名
薬師堂 
一周道路から未舗装の道を通って薬師堂に向かいました。

お、道の脇にシマシマ
大島では本当に身近に、過去の噴火でできたシマシマが目に入ります。

車道沿いで川辺先生が、1338年(?)元町溶岩を流したときの噴火の火山灰について説明してくれました。

「特徴は下が明るい灰色。上が明るい茶色。下には1000年ほど前の、黒くて硬い層がある。間に黒い穴だらけの小石(スコリア)が挟まれているのが特徴で、これはマグマ水蒸気爆発でガスに入っている水分と火山灰が反応して石膏になり硬くなったもの」なのだそうです。

「森で普通の火山灰やスコリアが10~20cm積もっても葉は落ちないが、湿った火山灰には弱く葉の呼吸ができなくて一気に枯れる。特に杉は1発で枯れる、元からあったシイの木などは強い」と教えてもらいました。

こうやって巨木になれる木は、もともと噴火に強い樹種なのですね。

土砂災害現場
一昨年の土砂災害現場で、改めて振り返りを行いました。


共同井戸の跡
水道が整う前の伊豆大島は、川がないため共同の井戸から水を汲んで家に運ぶのが女性の仕事でした。

今は使われなくなった井戸は安全のため蓋がされ、昔の面影は写真でしか見ることができませんが看板は立っています。

ここに、みんなで集合しました。

「(地下の岩盤に板状に入り込んで地上に出ようとしたマグマが冷えた)岩脈が縦に入ると、地層からしみこんだ地下水が、岩脈の脇で溜まるんです。」川辺先生の説明を、真剣に聞く我々。

「大島は海の中に水が湧く場所がたくさんあり、波浮港も海底から真水が沸いています。海水の方が重いので普段は真水が上に浮いているが汲み上げすぎると、海水があがってきてしまいしょっぱい水になるんです。」(なるほど~!)

温泉ホテルでは、200m掘った温泉を、3~4本使っている…ということも話題になりました。

以上3地区とも、ゴミ拾いをしながら回りました。

「いろいろ教えてもらった大島さんを綺麗にしてお返ししなくては」と、皆でゴミをいっぱい集めました~。

初日にして「大島には本当にたくさんの、ここならではの宝物が眠っているんだなぁ」と思いました。

報告は、まだまだ続きます~。

(カナ)