ジオと雲

一昨々日、いつもとは一味違う三原ツアーを担当してきました。
実は、西谷がとても楽しみにしていたお仕事です。

なんと…
気象予報士・空の写真家・数多くの本を執筆なさっている”武田康男さん”が同行するツアーだったのです。
【武田先生のHP】http://www.skies.jp/

この日の為に西谷が準備したもの・・・    それはこれら↓


しかし同じ日に、今年で5回目になるT学園高等部のツアーが入ったため
「ギバさん~、代わりにしっかり話を聞いてきて~~~!」となったのです。

宙(空)好きにとっては、“空からボタ雪“もちろん喜んで引き受けました。

さて、ツアーは山頂口から温泉ホテルに戻るフルコース。
4名の方は、千葉の高校で武田さんが教鞭をとっていた時の教え子。
残りお2人は、以前アラスカツアーに参加された方とそのお友達、総勢7名です。

歩き始めは三原山が見えていたのですが、カルデラの中ごろまで進むと南から段々と雲が迫ってきました。
しかし遊歩道までは届きません。

頭上には太陽が輝き、汗ばむ陽気です。

いつものコースで 噴火が作りだした造形を楽しみ



残念ながら遠くの景色は見えないのですが、用意した双眼鏡で周囲を観察


可愛い3色の双眼鏡で、大いに盛り上がって頂きました。でも、何を見ていたのだろう?

さて山頂に近づくに連れ、雲がどんどん増えてきます。
三原神社に着く頃には周りがほぼ真っ白、でも皆さんからは「涼しくて気持ちいい!」の歓声が・・・。


いいですね~。この前向きな姿勢!

そんな中、こんな格好でお鉢に向かう方達の姿も・・・


ゲストの方からはこんな声が聞こえました。
「外人さんて寒さに強いね~、それに私達がここであんな格好していたら変な奴だけど
 彼らは格好い~ぃ!(⋈◍>◡<◍)。✧♡ 」  う~ん、確かに。

このシーンに出会う前、武田さんが面白い現象を教えてくれました。

赤ダレ方向(南西斜面)から地を這うようにカルデラに侵入してきた雲が
丁度私達の目の前で垂直に昇っていくのです。


皆でカメラを向けながら口々に「う~ん、これはやっぱり動画だね~」との声。

先生のお話では
「南から雲を運んできた風が山を回り込んだ風とぶつかり、そこに上昇気流が生まれている。」との事でした。
風は肌で感じても目には見えません。しかし雲を見れば風の動きも判る。納得です。
中央火口の近くでは、流れてきた雲が火口の縁へと降りた所で円を描いている様子も見られました。
身の回りで吹く風、実はとても複雑な動きをしていたのですね。


三原新山の側で、生きている地球を肌で感じてもらっていると・・・。


先生が何か始めました。


スマホに繋ぎ対象物の表面温度を測れるとの事


空に浮かぶ雲の温度も測れるとのお話にはビックリしました。
もし持っていたら、三原山のあちらこちらの表面温度が測れて楽しそうですね。

さてもう一つ驚いた出来事


総勢約100人、大島海洋国際高校3年の皆さんと父兄の方達です。
何年も三原山を歩いていますが、さすがにこれだけの大集団に遭遇したのは初めてです。
いや~、若い人達のパワーには圧倒されました。

剣が峰を過ぎた辺りから先程までとは一変、晴れ渡った空に程よく散りばめられた様々な雲
正に、雲観察に絶好のコンディションとなってきました。

12時近くなり、“溶岩の一滴”に腰かけて昼食タイムです。


側では、早々に食べ終えた武田先生が三脚を立てて雲の撮影開始。
この時を待っていたのかも知れませんね。


お話を聞くと、画像だけでなく4K動画も撮影しているとの事でした。
ケーブルTVの番組に雲や空の動画を提供しているそうです。(番組名を忘れてしまった)
NHK高校講座の地学基礎にも出演し、雲のでき方の紹介や動画などの提供もなさっています。)

ここはチャンス!とばかりに、少し雲の名前を教えて頂きました。
奥に浮かんでいるのは“巻雲(けんうん)”俗に“すじ雲”と呼ばれるものです。

高度はおよそ1万m、強い風で横に引き伸ばされているとの事。

近くには同じ上層雲の“うろこ雲”も・・・これは正式名称?“巻積雲”

この高さの雲は、殆どが氷晶と呼ばれる小さな氷の粒で出来ているとのお話しでした。

ゲストの方は、まるでホイップした様なツンツンした雲も見付けていました。
風によって様々に変化する雲を見ていると、本当に飽きませんね。

さて、お弁当も食べ終わり目指すは“裏砂漠”

今日は何時も以上に、此処で雲を眺めたかったのです。

しかし時刻は12時半、太陽が頭のほぼ真上で輝いています。
眩しくて雲を眺めるどころではありません。

と言う訳で“スタッフ嶋田流風を見る!”シャボン玉飛ばしです。



さて今回のツアーを受け持つ事が決まった時、ひそかに望んでいたものが有りました。

太陽の光を受けて虹色に輝く雲との出会いです。

西谷が購入したT先生の写真集にも、様々な美しい雲の姿が載っていたので
是非このツアーの中で、皆さんと楽しみたかったのです。

私達がシャボン玉遊びに興じていると、突然後方で先生の声がしました。
先生がカメラを向けたその先には、虹色に輝くその雲が浮かんでいました。


思わず私は「凄い!凄い!」を連発! 
願ってはいましたが、まさか本当に見られるとは思っていませんでした。
お客様からも「さすがセンセ~イ!」の声が・・・

裏砂漠を離れた後も、虹色の雲は形を変えながら次々と現れてくれました。


【少し加工を・・・】

実は今回、武田先生が“絶対に空を楽しめる!”と確信して組んだツアーだったのです。
昼食の時、教え子の方がこんな質問をしました。「もし、今回のツアー雨だったらどうなってたの?」
先生=「そんな事考えないよ。ぜったい晴れると思っていたから・・・」

昨夜は、星空観望会も行っていたのです。大きな流れ星も沢山見られたとの事。
写真もバッチリ撮られていました。



「山で雷がなったらどうしたらいいの?」こんな質問も飛び出しました。
先生によると、“凹みを見付けて中に入り、出来るだけ体を縮めてしゃがむ”のが良いそうです。
「地面に腹這いになるのは、電気が伝わりやすくなるので避けましょう。」との事。

雲の動きで風を読み、雲の変化で天気の移り変わりを予測する。
これって、山を案内する時に絶対必要な知識ですね。

雲のでき方は、地形にも大きく影響を受けます。
まさに、ジオの一部ではないでしょうか?

今日のガイドで、また一つ山歩きの楽しみが増えました。
武田先生始め、ツアーに参加下さった皆さんありがとうございました。 by 柳場