次の噴火を考える研究集会に行ってきました

伊豆大島、三宅島の次回の噴火を考える」と題した研究集会が、25日と26日に東大地震研究所で開催されたので行ってきました。チラシの上の部分だけを貼り付けました。プログラムを細かく知りたい人は、以下のリンクからご覧ください。
http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2017/12/b553cf6e9fef5c8f7581c94083c8ecdd.pdf


駅から10分たらずのはずの東大地震研究所に、迷い迷って40分かけて到着。

山の中のガイドは大丈夫なのですが、都会は苦手です。
地震研の入口には、石で作った地震計の模型??がありました。

会場は古い方の2号館。外の壁は、がっちり耐震補強されていました。


会場に着いたら、参加者で席がほぼ埋まっていてびっくりしました。あとで聞いたら110人もの方が集まったそうです

(これは終わって帰る前に撮った写真です)

発表を聞いていて驚いたのは、例えば噴火の時の火山性微動が毎回少しずつ違うという事実でした。1986年の三原山の噴火では、山頂からの噴火時は連続的だったけど、割れ目噴火に移行したら断続的だったとか…。

86年の噴火の前から、三原山の山頂の南側で磁力の変化を調査していたそうですが、噴火の5年前から磁力が減ってきて、噴火してしばらくたってから元に戻ってきたそうです。マグマの上昇などで地下の温度が上がると岩石が磁力を失うそうで、それを調べているのです。(これは気象庁の大島の資料)
http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/sapporo/05m10/100_05m10memo.pdf
幸い、いまはまだ減ってきていないそうですが、だから“これから5年間は大丈夫”なのではなく、変化が一気に来るとそのほうが怖いそうです。

重力を測っていたり、磁気を測ったり、火山ガスを測っていたりする人たちが、それぞれ専門にいるのも驚きでした。CO2などのガスを測ることで、何が起こっているかが分かるようですが、火山ガスの研究をする人が少ないことも課題とされていました。

噴火シナリオが86年に偏りすぎで、カルデラを作った大きな噴火(専門家は「S2」といいます)の前後に、どんなことが起きていたかも整理しないといけないという議論もありました。
次の噴火は、ゆっくりマグマが上がってくるのか、ドンと上がってくるのか、二つのパターンのどちらになるかは分からないとかとも言われていました。まだナゾが多いんですね。一方で、研究者同士で「すっきりした」というようなコメントが聞かれたのも印象的でした。

この研究集会は、東大地震研究所や各地の大学、気象庁防災科学技術研究所などが、組織を超えた協力ができるようにするため、行われたそうです。来年度の夏には、伊豆大島で若い研究者たちによる緊急共同観測の計画もあるようで、楽しみです。

伊豆大島からは、私を含めて5人が参加していて、最後に伊豆大島ジオパークが、研究者と地元をつなぐ窓口になることも紹介されました。

(かな)