宇井忠英先生来島!

7月16日〜17日、宇井忠英先生がジオノスに来島され、それに合わせてガイド向けスキルアップ講習を開催してくださいました。

 

北大名誉教授の宇井先生は、中心的に支えている洞爺湖有珠山ジオパークだけでなく、伊豆大島ジオパークになった頃からずっと、山に関する資料を直接くださったり、丁寧に教えてくださったり、土砂災害後にも来島されたりと、長年にわたり、伊豆大島ジオパークとしてもお世話になっている方です。

 

当初予定していた高速船は悪天候で欠航、その夜の大型客船も運休日。翌日の高速船に望みをかけて東京で1泊されたものの、それも欠航となり、最終的には臨時便の大型客船で約4時間半かけて、ようやく大島に到着されました。

それでも到着後すぐの午後と夜、2回の講演会を実施!

火山について正しく伝えたいという先生の熱意とバイタリティに触れ、参加したガイドたちからも質問が相次ぎ、それにも一つひとつ丁寧に応じてくださいました。

 

翌日は午後から、山頂とカルデラ内の溶岩流を一緒に歩きました。

ハワイにも何度も足を運ばれている先生は、「パホイホイ溶岩は流れた直後はもっとツルツルしていて、表面が薄皮のように剥がれて今の形になっている」と教えてくださいました。

さらに、「近くで観察しているとパチパチと音を立てて穴が開き、ときには破裂して飛び散ることもある」とのこと。

よく見ると、確かに大きな穴がいくつも開いていて、これが破裂したら大変だなあ、とリアルな現場を思い描きました。

 

避難壕の前では「この形なら、伊豆大島の噴火ではおそらく大丈夫でしょう」など、あれこれ会話。

 

看板の前では「溶岩談義」が盛り上がりました。

大島は、“玄武岩の島”とよく言われます。でも宇井先生によると「溶岩は玄武岩安山岩、デイサイト、流紋岩などに分類されるものの、実際にはきっちり分けられるものではなく、連続的に変化し、混ざり合っている」とのこと。

「昔は採取したサンプルから成分を調べるのも大変だったけれど、今ではわずかなサンプルでも短時間に調べられるようになり、その結果、溶岩が実に複雑であることがわかってきた。わかればわかるほど、わからないことが増えるんです」とも。

 

その言葉を聞いて、私は「生きものと同じだ」と思いました。
生きものの世界も、また変化し続けていて、どこかで明確に線を引けるものではないように感じています。火山も同様だと改めて実感し、ひとり密かに(?)感動しました。

 

1986年のアア溶岩の上には、見事な大輪のサクユリが咲いていました。

38年前には何もなかったはずの黒い溶岩の上に咲く美しい白い花。

そのコントラストに心を惹かれ、吸い寄せ荒れるように(?)近くまで行って撮影。

残念ながら背景の三原山は霧に包まれていましたが、それでも十分に印象的な光景でした。

 

そして最後は、16時発の船で熱海へと戻られる先生を、みんなで岡田港へお見送りに行きました。

フィールドを何よりも大切にされ、ありのままの火山を伝えることに尽力されてきた宇井先生と、久しぶりにご一緒できて、本当にうれしく励みになりました。

 

私もできる限り自分の足で歩き、自分の目で見て、自分の考えたことを、科学を学びつつ伝えていきたい──そんな思いを新たにしました。

 

(かな)