『自然という幻想』を読んで

ジオパークでもあり、国立公園でもある伊豆大島

 

ガイドツアーの中でも「自然保護」「固有種」「外来種」といった言葉を

口にする機会も少なくありません。

 

その一方で、どこか自分の中に

「外来種=悪」

という漠然としたイメージがあったことに気づきました。


園芸種は身近にたくさん存在しているのに、です。

 

また、人間の活動が自然を破壊しているという環境保護的な見方が、

自分の中で強く根を張っていることも感じていました。

 

そんな折、東邦大学名誉教授の長谷川先生にお会いする機会があり、

示唆に富む本はないかとお尋ねしたところ、

ご紹介いただいたのが、

エマ・マリスの『自然という幻想』でした。

(翻訳をされた岸先生は、長谷川先生の先輩にあたるそうです。)

 

 

本書では、「人間の影響を受けていない手つかずの自然」という

概念は存在しないことが、具体的な事例をもとに示されています。

 

外来種はすべて悪なのか。

絶滅に瀕した種を人の手で移動させることは間違いなのか。

 

読み進めるうちに、これまで自分がどれほど「あいまいな自然観」

の上に立っていたかを思い知らされました。

 

「元の自然に戻す」という言葉も同様です。

何が「元の状態」なのでしょうか。

何が「本来の姿」なのでしょうか。

 

注目すべきはわたしたちの暮らしの中にある草地や緑、農地などの

「多自然ガーデン」

 

多種多様な外来種も含め、生命が繁栄するあらゆる場所

たとえ、それが草刈りをしない庭であっても!

 

というような文を読み、夏場に草刈りを怠ったわが家の庭を見る目が

一気に変わりました!!

 

著者のエマ・マリスについて調べたところ、

彼女のTEDでのトーク

Nature Is Everywhere – We Just Need to Learn to See It

(自然はどこにでもある ー自然の見つけ方を学びましょう)」

を見つけ、視聴しました。

(日本語字幕も表示できます。)

 

動画は本を読む時間がないという方におすすめですが、

これを見て、より詳しく知りたい方は、ぜひ本を読んでいただきたいです。

岸先生のあとがきも興味深いです!

(このブログの読者ならすでに読んでいる方も多いかもしれませんね。)

 

 

動画の彼女の最後のメッセージが、強く心に残っています。

 

地球が今直面している環境問題を解決するためには

自然を大切に思う人の存在が欠かせない

 

そして、そのような世代を育てる唯一の方法とは

子どもたちに自然に触れさせることだ、と

 

自然に触れ、感じ、慈しむこと

 

子どもたちがこの島で火山の大地を踏みしめ、

たくさんのワンダーを発見し、無心になって遊ぶこと

 

守るべきものは、遠くにある理想の自然ではなく、

自分たちのすぐそばにある。

 

そんな気づきを、体験を通して感じられる機会を

これから、つくっていきたいと心から思いました。

 

長谷川先生、本を紹介してくださってありがとうございます。

そして、お誕生日おめでとうございます✨

 

(ユリカ)