黙祷、町長挨拶のあと、前半で気象、砂防の専門家から講演があり、後半で質疑応答が行われました。
今日は その中の前半部分で、印象に残ったことを報告します。
(写真は全て配布資料を写したものです。)
まず町長からは「2次災害や新たな崖崩れによる災害を防ぐために、関係機関と協議を重ね大島町としての警戒避難に関する基準を設けた。現段階での暫定的な報告であり、今回が出発点だと考えている。今後調整、変更しながら説明の機会を持っていく予定。今回は防災関係者、婦人会中心に広報し、一般島民へは“防災大島”での放送だけだったが、今後は地区ごとの説明会も考えている。」と説明がありました。
続いて専門家による講演です。
講演1「伊豆大島における土砂災害の地域的な特徴」
気象庁伊豆大島火山防災事務所長 加冶屋秋実氏
「過去54年間の台風211個のうち21個が、大島から300km以内を通過して・北東へ進み・周辺に前線が存在するという3つの条件下で大雨となった。降水量は1時間45ミリ以上、24時間270ミリ以上の大雨だった。」
「台風26号の雨は元町約800ミリ、三原山カルデラ約600ミリ、東側山腹約500ミリ、北の山約400ミリと局地性が強く、北の山では異常な雨の降り方という感じはなかった。山の地形が雨の偏りに影響していた可能性があり、このような局地的な雨は現状では予想が困難。」

確かに波浮港に住んでいる人たちはみんな「それほど雨が降ったという感じはなかった。」と語っていました。本当にピンポイントだったのですね…。
加冶屋氏の説明は続きます。
「火山灰、急傾斜地の環境に台風、暴風が重なると崖崩れや土石流が起こる。これまでの崖崩れも雨のみではなく、強風で木が揺れて誘発された可能性がある。元町には100~数10年おきに、火山泥流が発生していた可能性があることが今回の調査でわかってきた。」

「自然現象を止めることはできないが、防災・減災で災害を防いだり軽減したりすることはできる。地域の災害に関する言い伝えも大切。」
講演2「土砂災害に対して気象庁が発表する情報」
気象庁予報部予報課気象防災推進室防災気象官 板井秀泰氏
気象庁東京管区気象台総務部業務課防災調整官 新出祥文氏
「大雨」や「強い雨」という表現について説明がありました。
「20~30ミリが強い雨(土砂降り)。80ミリ以上は猛烈な雨(息苦しくなるような圧迫感がある、恐怖を感じる)。大島は雨が多い地方で、観測史上10位までが1時間80ミリ以上。今回が過去最も多い雨量とはいえ、昭和13年から数年に一度は80ミリ以上の『恐怖を感じるほどの雨』が降っている。」

上の表に引いた黒い横線が80ミリのラインです。
今回が特別ではない、ということが良くわかりました。
新出氏はとてもシンプルな言葉で語ってくれました。
「自分の命は自分で守るということ、これだけは覚えておいてほしい。空振りになっても早めに避難。自分の感に注意して、情報がでなくても避難することが大事。また危険な箇所を知ること、避難経路、避難場所を事前に確認すること、町からの情報、気象庁からの情報に日頃から関心をもつことが大切。携帯電話メ-ルサービスも利用できる。」
注意報、警報は大島町全体に出るそうです。ピンポイントでの予測が難しいという現状では、確かに自分で判断する力をつけていく必要があると思いました。「自分の命は自分で守る」この言葉を肝に銘じたいです。
いただいた資料には役立ちそうな「土砂災害の前兆現象の図」というものもありました。

音にも注意しなければ…。
講演3「土砂災害の現地調査結果」
国土交通省水管理・国土保全局 砂防部 砂防計画課 地震・火山砂防室長 岡本敦氏
「1338年溶岩流上にその後の噴火の火山灰が2mぐらい積っていた。表層1mぐらいが崩れた。」その他、今回の災害の現状説明がありました。

講演の後は町長から「土砂災害への対応について」の説明がありました。
「土砂災害危険渓流・急傾斜地の表はインターネットで既に見ている人もいると思うが、初めて見る人は驚くかもしれない。表は最大で危険を及ぼす範囲であり、建物、地形により危険度は違う。警戒を要する区域を含む地区には役場職員が出向いて説明する予定もある。」

この表の、地域ごとの拡大図も配られました。
「今後は気象庁と防災担当が連絡を取り合い、地区ごとに対応していく。空振りの可能性もあるが当面は8割の危険度で注意報,警報を出す。今後、検証と変更を繰り返すなかで整理し、基準を見直していく予定。要援護者の名簿作成し、夜中に雨が確実に降るときは早めに周知する。」
メモから起こしたので、多少の言葉遣いの違いはあるかもしれませんが、だいたい上記のような内容でした。
講義の後の質疑応答では、様々な質問が出ていました。その時の様子などから、説明会に参加している多くの人達が、真剣に、そして前向きに今後のことを考え、学ぼうとしているように感じました。
質疑応答の様子は、明後日のブログで報告する予定です。
(カナ)