山の上の“温泉ホテル”に宿泊されていたお客様に聞いたところ「昨晩まで何もなかったが、朝起きたら突然雪景色になっていた」のだそうです。
お客様は以前、ご自分達で火口を歩いているとのことだったので、ゴツゴツ溶岩地帯で「白と黒の世界」を見ていただくことにしました。
雪は思ったより少なく、黒い溶岩がシッカリ見えていました。

でも、うっすら雪化粧した溶岩は、やはり素敵です。
黒い溶岩と白い三原山の風景には、毎回見とれてしまいます。
“ハト”も背中に雪を乗せていました。

なんだか、シマシマの羽の生えた別の鳥みたいにも見えますが…。
黒い大地に描かれる白い模様。

あっという間に消えてしまう「今だけの風景」だと思うと、よりいっそう美しく見えます。
ゴツゴツ溶岩の造形を楽しんだあとは、“溶岩の流れ”を見に行きました。
1986年、割れ目噴火で流れた溶岩が今も黒々と残る場所。

周りは裏砂漠のような、小さな溶岩の粒が降り積もっています。
ここでぜひ“あること”を体験していただきたかったのです。
それは細かい溶岩粒の上に寝転がり、“ツボマッサージ”の感覚を楽しむこと。そして、広い景色を独り占めしてお茶を飲むこと!

風も弱くて春のような暖かさで、とっても快適でした。
満足~。
帰り道、足もとの小さなコケに、キラキラ光る水滴がついているのに気がつきました。雪が太陽で暖められて、水になったのです!

「何カラットかしら?」とお客様。
「一瞬で消えてしまう今しか見られないものだから、ダイヤモンドよりも高級かも」という話しでお客様と意見が一致しました!
そして…「あ、こっちに沢山ありますよ」とお客様が見つけてくれたのが、この風景でした。

キラキラの粒が、いっぱいで、ものすご~くキレイでした。
この一瞬に居合わせられた幸運に感謝です。
お客様は森の中でも、色々なものを見つけて教えてくれました。その中で一番驚いたのが、崩れた崖のすぐ横で実っていたアオキの実です。

普通よりも小さい実が、ビッシリついていました。
これは木の下から見上げた風景です。

こんな状態の実のつき方は初めて見ました。
台風を経験したアオキが「頑張って子孫残さなきゃ!」と思って、実をつけているようにも思いましたが、森の中でこの木だけなのですよね…(特に理由はないのかなぁ…)
そして、こちらもお客様の発見。

ねじれまくった蔓!(写真はごく一部です)
「ここまで複雑に絡み合った蔓は見たことない」と、みんなで蔓を誉めたたえた(?)のでした。
お客様はご夫婦で良く山を歩かれるようですが、今回は花を持って大島を訪ねてくれたようです。前日は献花台に花を持っていかれたとおっしゃっていました。
災害も、美しい自然も全て伊豆大島。これからも、ありのままの伊豆大島をお客様と一緒に感じながら、歩きたいと思います。
ところで、最後にお知らせです。(またこのパターンです。笑)
台風災害で放送が延期されていた「大島の火山と椿」のドキュメンタリー番組が、2月2日(日)にBS日テレで放送されます。(森を案内するガイドとして私も登場します)
http://www.bs4.jp/morigin/onair/index.html
椿祭りの開始とあわせて放送し、大島を応援しようとしてくれる、スタッフの皆さんの気持ちが嬉しいです。
お時間のある方は、ぜひご覧ください。
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