この1週間の間に何度かガイドで山を歩き、秋の景色を楽しみました。
先週金曜日の午前中は多摩地方の森をフィールドに活動している女性の方達と、
植生遷移が一番ハッキリわかる1本道を往復しました。
ハチジョウイヌツゲとヒサカキが多い濃い緑の森から、明るい低木林
ススキの大草原、1986年溶岩流のまだ荒々しさが残る風景…
短い時間で環境が変わるこの道は、植物好きの方達と歩くと特に楽しいです!
オオムラサキシキブの実の付き方が本土のムラサキシキブと全然違うと驚かれる皆さんの話を聞いて、
私もムラサキシキブを調べてみました。
オオムラサキに比べてずいぶんスマートな感じなのですね。
普段見慣れていて何も疑問を持たずに通り過ぎている植物も、お客様との会話から、
他の場所と違う個性を持っているということを教えていただくことが、とても多いです。
この日は足元に美しい紫色のスミレも咲いていました。
何か珍しいスミレかも!と思ってスタッフに写真を撮ってもらい後から見たら、大島には一番多いシチトウスミレでした。
春に見るシチトウスミレより紫色が鮮やかに見えたのですが、たった1個しかないという貴重さが
色を濃く見せていたのかもしれません(^_^;)
そして、同日午後は地質調査のプロの方たちと、テキサスコースから温泉ホテルへ抜ける道を歩きました。
毎年皆さんで色々な場所へ、勉強に出かけられているとのこと…素敵ですね!
地質調査の世界では、柔らかい地質と硬い地質の専門家がわかれていて、柔らかい地質の専門家は
「豆腐屋」と呼ばれている、など面白いお話を色々聞かせていただきました。
樹海の中の溶岩流の断面がはっきり出ている場所では、左右の形をジグソーパズルのように合わせて
観察されていて、「なるほど、こういう見方をするのか~」と勉強になりました。
そして昨日。
午前中は小学校4~6年生の遠足に乱入し、ジオパークの話をした後、少しだけ一緒に歩きました。
子ども達は黒い溶岩の形を見て「あ!カメだ!」とか「○○だ!」と次々に発見して教えてくれます。
子どもの感性にはかないませんね~。
島の子ども達の間では意外にゴジラが有名な事もわかって、嬉しくなりました(^O^)
さて、最後のツアーは昨日の午後、大島支庁産業課の方達のリクエストで、
火口を一周して温泉ホテルへ抜ける道を歩きました。
歩き始めた道の脇には、私達を歓迎してくれるかのようにアキノキリンソウが見事な花を咲かせていました。
あいにくの曇り空で冷たい北風がビュービュー吹いていたのですが、皆さん風などものともせず、
三原山の景色を楽しまれていました。
島に暮らす者同士で、ここの自然の雄大さや不思議さを一緒に感じながら歩けた事がとても嬉しかったです。
「すごいよな~。こんな所って他にないよな~。」という、参加された方の感想は、そのまま私の感想でもあります。
歩くたびに、どんどん大島の自然に惹かれていきます。
島に住む私達がここの魅力を皆で見つけていけば、大島はきっと更に素敵な場所になりますよね!
これからも機会がありましたら、ぜひ一緒に歩いてくださいね。
そしてこの1週間ツアーにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
とっても楽しかったです!
(カナ)