まず今年7月、ガイド分科会のコーディネーターを任された私が、福島大輔さん(錦江湾桜島GP)、蓮岡真さん(磐梯山GP)、田畑朝恵さん(伊豆半島GP)、大町由紀さん(島原半島GP)、福辻京子さん(南紀熊野GP)、古園俊男さん(霧島GP)、今井ひろこさん(山陰海岸GP)という8名のベテランガイドさんと一種に、「理想のガイド像」8カ条のたたき台を作成しました。
そして、各地のジオパーク協議会の事務局を通じて、全国のジオガイドさんに意見を聞くアンケートを実施。37ジオパークの144名の方々から回答をいただいて、8カ条の各項目ごとに担当分けをして、事前資料を作って臨みました。
霧島では、1日目の27日午後には、参加した187名が項目ごとに分かれて話し合いました。
2日目の28日午前は、各項目を担当した8名がパネラーとなって、1日目の議論の経過とそれぞれでまとめた文章案を発表。全員が参加して、「私たちのめざすガイド像2015 in 霧島」にまとめあげました。

日本ジオパークネットワーク霧島大会の分科会報告として、「私たちのめざすガイド像2015 in 霧島」と題した文章を、28日の全体会で発表しました。さまざまな議論がありましたが、全国のジオパークで活動するガイドさん、またこれからガイドをしていこうとしている皆さんらも含めて、全国の延べ331名の現時点での経験の結晶です。

ガイド自身が、ジオパークでのガイドのあり方について、日本で初めてまとめた文章。
さっそく、「地元のジオガイドの講習会で、活用する」という嬉しい声も聞きました。
日本ジオパークネットワークのホームページでも、目立つように掲載されることになっています。ぜひ、皆さん、以下の文章をご活用ください。
私たちのめざすガイド像2015 in 霧島
前文
ジオパークを多くの人に知ってもらうためにお客様に、目の前の風景の奥にある物語を楽しんでもらいます。
そのために、私たちは以下のことに留意してガイド活動を行います。
《理想のガイド像1》知識だけでなく物語風に伝える
お客様は、専門的な知識のみでは忘れがちですが、感動や体験、物語などは覚えています。大地と人と自然のつながり(ジオストーリー)を自分の言葉で、楽しく、分かりやすく伝えます。また、それが語れるように、専門家や地域の人々の協力も得て、知識に裏付けされた引き出しを増やし、ガイド自身も楽しみながら伝えます。
《理想のガイド像2》「その土地ならでは」の物語を伝える
お客様が「参加する価値がある」と思うのは、その場所でしか触れられない感動的な体験や物語。日頃からフィールドを歩き、地元の人の話を聞き、集めた情報を整理し、お客様が興味を持って聞けるように自分の言葉で話せるようにします。
《理想のガイド像3》自分のジオパークだけでなく 地球全体を伝える
自分のジオパークだけでなく、出来る限り他のジオパークを学び、地球を語り、世界、日本そして地域を語ります。日本中がジオパークになる中で、各地のジオパークを時間軸の中に置き換え語ると、お客様に伝わりやすくなるでしょう。
《理想のガイド像4》正確な内容を、 わかりやすい言葉で伝える
伝える内容を正確にするために、専門家等と協力して適切な表現を考え、学んだ知識をお客様の知識や興味に応じて、理解できるようなわかりやすい言葉で伝えます。また他のガイド(ジオパーク)とも、情報を共有していきます。
《理想のガイド像5》お客様に応じた伝え方をする
お客様の情報を把握し関連づけて伝えます。お客様にあわせてジオパークをわかりやすく伝え、お客様が気づき、新しい発見をし、共感しあえるガイドをめざします
《理想のガイド像6》興味を持たせる工夫をしながら伝える
身振り手振りや写真•動画、その他の小道具、歌、クイズ等、様々な手法を用いて、お客様が楽しみながら理解できるように工夫します。景色を観察する際にも、音やにおい、肌で感じる触感など、五感を利用するとよいでしょう。
《理想のガイド像7》状況を的確に把握し、安全管理を行う
気象や自然現象,活動場所・地形,生物,お客様の状況等によって起こり得るリスクを予知予想し、リスクに応じた安全対策や、事故が発生した場合の対処方法について学び実践します。
《理想のガイド像8》常にガイド技術を高める努力を重ねる
常に安全に配慮し、お客様の関心を高め「楽しかった!」「また来ます」と言ってもらえるように、様々なガイド手法を学び、取り入れ、自らのガイド技術を高めます。ガイド自身がまずは楽しみ、自ら学びます。
各分科会報告は、制限時間が5分間。この文章を読み上げている途中で、霧島温泉大使「アヒル隊長」が、ステージの反対側からトコトコ、歩いて出て来ました。

時間オーバーを教えてくれるタイムキーパーだったのですが、いったい何事かとビックリしました(笑)。
ちなみにガイド分科会の様子は、山陰海岸ジオパークの今井ひろこさんも、くわしく報告されています。今井さんのブログはこちらです。http://imaihiroko.com/category/geopark/guide
さて、来年の全国大会は伊豆大島から最も近い「伊豆半島ジオパーク」で行われます。
最後に伊豆半島ジオパークの皆さんが、壇上に出てきて挨拶、今年の大会は終わりました。

来年の大会日程は10月9-12日とのことです。
皆さん、ぜひご参加して、いっぱい語りましょう~。
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