
明日から連休という方が多いことでしょう。
ご予定はお決まりでしょうか? どこかへお出かけですか?
え? 大島へ!!(さすが!お目が高い!!)
ところで、みなさんは、どんな場所で心がなごむ風景に出会うでしょう?
私は、裏通りや裏街道が好きです(笑) 人生も裏街道を・・・
ヘソ曲がりのせいでしょうか。
大島では、こんな風景が好きです。
最初の見出し画像とともに7月中旬に撮ったものなので、季節感がなくてごめんなさい。
石垣の上でハマカンゾウの花が揺れていました。
さすがに、火山の島だけあって、溶岩で造られた石垣が島内のあちらこちらで見られます。
ここ↑は、大島の南部、差木地(さしきぢ)地区の歴史を感じる石垣です。
家屋敷を台風や季節風から守るために海岸などから運んで造られたそうです。
島内の歴史ある集落には、このような数百年も年月を経た石垣が大切に残されてきました。近くを通るだけでも、心がなごむ気がするのは何による効果でしょうか。
火山と、そこに暮らす人々の生活から造られてきた風景・・・まさにジオパーク的な風景。
島の貴重な遺産ですね。
こちら↑は同じく差木地の沖ノ根(おきのね)地区。これは10月1日の写真。
比較的新しく造られた石垣ですが、早くも苔むして、
溶岩のすき間からオニヤブソテツやトラノオシダが葉を伸ばしています。
マメヅタも広く貼り付いて胞子葉をムックリと立ち上がらせていました。
この先には島で一番太いというヤブツバキを含む椿並木があり、
その根元近くにの溶岩でできた石垣もジオパーク的です!!
ここ↑は生垣(いけがき)に見えますが、この緑の壁の芯はブロック塀です。
大島には、20年程前まで、スコリアを砕いた砂とセメントを混ぜて、
大島産の軽量ブロックを作っている工場がありました。
この話↑もジオパーク的話題の一つとして(笑)
今でも、どこかに大島産ブロックで造った塀があると思いますが・・・
こんな↑ふうに、植物が茂っていては分かりません。
この↑↓塀に絡んでいるのは、イタビカズラというツル性の常緑樹です。
こちら↑の丸い実のようなものは、イタビカズラの「果嚢:かのう」と呼ぶ種子を作るもの。
「イタビ」とは、大島にも多いイヌビワの異名です。
イヌビワもイタビカズラも、クワ科イチジク属の仲間なので、
イチジクに似た、肉質で壷状の内側に小さな多数の花が密集した「花嚢:かのう」が、
秋に果嚢となって熟します。

こちら↑も、野増地区の裏通りで見つけました。ブロック塀の緑化が見事です。
この夏、日本でも猛暑で大勢の方が亡くなられたことを考えると、地球温暖化の対策が急がれます。屋上緑化・壁面緑化に市民が取り組める手近なヒントとなりそうです。
これ↑は、オオイタビです。先ほどのイタビカズラより葉が丸く明るい緑色です。
オオイタビは、大崖石榴(大きい崖のザクロ)や大木蓮子などとも書くようです。
イタビカズラと同様によく枝分かれして、気根を出し、岩や崖や樹木に這い上がります。
オオイタビは、イタビカズラより暖かいところを好んで、房総半島以西から中国大陸まで広く分布しているそうです。ネット上には、横須賀の観音崎の○○邸や腰越の○○邸のオオイタビの垣根が見事・・・などと載っていました。
こちら↑は、大島元町の○○邸のオオイタビ垣。本当に見事です。
根の辺りはとても太いそうです。雌雄異株(しゆういしゅ)なので、絡みあうと葉の先がオス株かメス株か分かりにくいですね。
葉先をまめに刈り込んでいらっしゃるところでは、果嚢が見られないようでした。
でも何とか、私の太い指より大きな果嚢が付いているのを見つけました。
イチジク状果とも呼ばれますが、イチジクの形とは少し違いますね。レモン形のような。
このイチジク属には、例えばオオイタビには、オオイタビコバチというように専属契約を結んでいるハチがいるそうです。
イヌビワ←→イヌビワコバチ
イタビカズラ←→イタビカズラコバチ
ヒメイタビ←→ヒメイタビコバチ
イチジク←→イチジクコバチ(大島よりずっと南にいる)
どうも戦略的互恵関係にある切っても切れない仲らしいのです。
でも、このコバチたち、極小です。
イヌビワコバチのメスで体長が2ミリ触覚が1ミリ・・・
なかなか手ごわそうです(汗)
(なるせ)