生き残る為には・・・

地球上にいる生物の全ては生き残る為にもしくは自分の子孫を残す為に、色々な方法で生存競争に打ち勝っていかなくてはいけません。
もちろん水中もそうなのですが、私達人間がそのシーンを見ることは難しいんです。

陸上の様に空気がありませんし、タンクをしょって入っても時間に限りがあります。
それ以外にも潜水病や低体温症など、水中は過酷な世界でもあります。

そんな中私達ダイバーは何度も何度も潜り、生態シーンがいつ起こるのかを調べています。
もちろん生き物ですから多少の時間の違いや失敗も多いですが、データを取ることで確率が上がって来ています。

その中に一つにアカオビコテグリの産卵があります、比較的確率高く見る事が出来ます。
アカオビコテグリは大島では簡単に見る事が出来ますが、なかなか他では見かけるのは難しいです。
と言う事はアカオビコテグリの産卵シーンを見る事が出来るのは、もしかしたら大島だけかも?

写真の大きな背鰭を広げているのが雄です、見事な背鰭ですよね!



普段は背鰭を広げることは殆どありませんが、産卵シーズンに入るとガンガン広げてくれます。

時に雄どおしが縄張り争いで喧嘩したりもしますが、これもなかなか見応えあります。
暫くお互いに咬み合いながら相手が逃げるまで続きますが、サイズがあまりに違うと小さな方がすぐに逃げて行きます。



そして縄張り争いに勝ち、雌をその気にさせれば写真の様に産卵というわけです。
手前の小さいのが雌ですが、雄が雌を持ち上げて2mくらいまで上がることもししばしばです。
二匹の後方(写真右側)に卵が写っているのが分りますか?



季節・時間・天気・水温・潜水病などなど色々な条件が揃わなければ見る事が出来ませんが、それゆえに見る事が出来た時は感動間違いなしですね。

担当 石田