雨だからこそ(海岸編)

週末2日間、ダイビングで何度も大島の海に通ってくれたお客様たちと、梅雨の大島を歩きました。
雨の時ならではのものにたくさん出会って、すご~く楽しい時を過ごしました。

1回で報告するにはあまりにも写真が多いので、今回は2回に分けて報告します。
まずは昨日の、海岸ツアーから~。

東京から高速船に到着後、最初に向かったのは筆島でした。
海を見ながら、買い込んだお弁当を食べます。

この休憩所、広くてきれいで、吹き抜ける風が気持ちよいです。
快適!

食後に、レインウェアに長靴、傘という完全武装で、海岸遊歩道を歩きました。
スコリア(黒い軽石)の壁や地面の上には、海岸に生きるさまざまな植物たちが、花をつけていました。

葉がタイ米に似ているところから名前がついたという“タイトゴメ”。
花だけでなく、実もできはじめていました。

タイトゴメの実って星形なんですね。

「あ、こんなところに貝がいる!」

火山灰の上に、少しだけ積もったスコリア(黒い軽石)に張り付いて観察していた柳場が声をあげました。

ホントだ!
いつも見るのとはタイプの違う、小型のキセルガイです。

スコリアの上で、3匹見つかりました。
キセルガイは森の中でコケや朽木を食べて暮らしていると思っていたのですが、なぜここに??

雨がうれしくて、周囲の草むらから散歩に出てきたのでしょうか?
それとも、スコリアの上で食べ物を探すタイプなのでしょうか?

「あ、これなんだろう?」

みんなが次々に、何かを発見するので、なかなか前へ進みません(笑)

「うわ!すごいですね、この根っこ!」byお客様。

確かに、言われてみればスゴイ光景です。
ヒノキの仲間“オオシマハイネズ”が、黒々とした根を網の目のようにからませて、地面を這っています。

これなら海から吹きつける強風にも、耐えられそうですよね。
またまたお客様からの一言で、普段見慣れているもののスゴさに気がつきました~(^.^)

そして、昨日一番のヒットがこちら。

水滴が、かんざしみたいに垂れ下がってる!
しかも、ひと粒が大きいです!!

コバンソウの花が枯れて落ちた後に水滴がついて、海をバックに揺れていました。
うわ~、かわいすぎます!

これこそ、雨の日に海岸沿いを歩いた人だけが見られるスペシャルな風景!
かなり盛り上がりました(^O^)

さてみんなで水滴を激写した後、別の海岸に移動しました。
水はけのよいはずの大島の地面ですが、海に向かう森の中には小さな川ができていました。

そしてこの水の先端で、面白いものを目にしました。
まるでアメーバのような動きをする“水”です!

水の先端部分がチョロチョロと動き、少し砂を積み上げてはまた方向を変え、どんどん砂を運んでいました。
水は、先に伸びたかと思うと再び縮んで方向を変えるので、変幻自在な生き物のようでした。

こうやって、砂を運んでくるんですね~。

「こんな深い溝を掘るなんて、どんな水のうごきがあったのだろう?」といつも見とれる溝には、予想に反して水はあまり流れていませんでした。

昔と流れる方向が変わったのでしょうか?
それとも雨の量によって違うのでしょうか??

あ、これも雨が削ったのですよね?

「キノコみたい!」と、誰かがつぶやいていました。

森ではシャクガの仲間が、枯葉に化けてました。

緑の葉に雨で張り付いた、枯葉そっくりです?
「ばれていない」と自信があるらしく、近づいて撮影してもついに最後まで飛びませんでした。

海でも目の良いIさんが、お尻から糸を出し桜の枝からぶら下がっているイモムシを発見。

猫のような頭をした、トビモンオオエダシャクです。

ね?

猫みたいでしょう?(笑)

ツアーの最後に、今が盛りのテイカカズラの花を見に元町溶岩流に立ち寄りました。

森を捨て、溶岩流の上で生きることを選んだテイカカズラたちが、雨粒をつけて光っていました。

花のジュウタンですね!
ほぼ満開です。

でも、ここのテイカカズラは小さくて黄色いです。
森で暮らしているものと、ずいぶん趣が違うなぁ…。

で、本当に最後に(笑)森に暮らすテイカカズラを見に、愛宕山入口にも立ち寄ってみました。
頭上から垂れ下がる、風車のような白い花。

まだきれいに咲いていました。

テイカカズラの花で幹全体をおおわれた、杉の木が何本も並んでいます。

高い木のてっぺんまで水を吸い上げるのは、横に這うよりかなり大変だろうけれど、頑張ってますね~。
そして頑張っているから、ひときわ美しいのかなぁ…?

本当はこのまま森に入っていきたい気分でしたけれど、昨日は夜もツアーだったので我慢(?)したのでした。

では、この続きは明後日に報告します~。

(カナ)