第6回ジオガイド養成講座「産業の歴史と現状1(くさや、椿)」

昨日の19時30分~21時、北の山公民館で行われた表題の講座に参加しました。

講師は「くさや藤文」店主・藤井敏夫氏と「株式会社 椿」の日原行隆氏。

参加者は57名で、机が足りなくなるほどの盛況ぶりでした。

「クサヤ」について
大島の郷土食の一つでもある「くさや」ですが、藤井氏によると、いつ頃、どこで、誰が作り始めたかということは、正確にはわかっていないそうです。
(江戸時代の流人制度があった頃ではないか?との説も有り)

昭和の46年~56年頃は、クサヤの原料の魚の水揚げが多かったようですが、今では船も減り、鹿児島産の魚が増えているとのこと。

くさや液(酵母菌により発酵している液)に魚をつける時は、大きさや種類によって入れる場所を変え、適度な塩を加えるそう。そして速い人は10~15秒で1匹の魚をさばくそうです。速い人ほどキレイにさばけるとのこと。(職人の世界ですね!)

藤井氏は適度にクイズを入れながら、わかりやすく話をしてくれました。
たとえば「液に魚を入れるときは、背からいれるか、腹から入れるか?」

正解は?

「開いた腹を下にして入れる。なぜなら背中を下にして入れると丸まってしまうから」とのこと(へえ~)

藤井氏の説明は続きます。
「一晩つけたら液を落として水で洗う。水は雨水を溜めたもの。水道水だと塩素が菌に影響してしまう。バケツを3つ用意し順番に洗い、水は捨てない。最初のバケツの水はだんだん濃くなりクサヤ液に近づいていくので、それを原液に足して大事に使う。」

この話を聞いて、クサヤは島の気候風土の中と人々の経験と知恵の合作なのだなぁ~と、シミジミ思いました。

クサヤは洗った後、一昼夜天日干しか乾燥機で干して完成するそうです(天日の方が栄養価が高いとのこと)
そして感想前に魚の尻尾側から撫でて整えると、照りが良くなるそう。

これって科学的に何か理由があるのでしょうか?
私には「かけた愛情の分だけ味が良くなる」ってことのようにも感じられるのですが…?

いただいた資料には「伊豆諸島のクサヤ汁の細菌群は島毎に違う」という興味深いデータも載っていました。質問したかったけれど時間切れでできなかったので、いつか聞きに行きたいと思います。

藤井氏がくさや液の酵母菌達に色々な栄養を与え上手に育てている話や、噴火でかなり苦労された話も印象的でした。

椿油」について
日原氏は、もともとはヨットで伊豆大島に通っていて、2001年に株式会社「椿」を創業した方。

大島の椿を使って熱を加えないエキストラバージンオイルを作りたいと考え、搾油機、精油精製装置を自社開発。非加熱は、加熱した物の2.5倍の保湿力があるのだそうです。

2001年に新宿高野で食用椿油を売り出したり、2003年にカタログハウス通販生活で化粧品として売り出して大ブレイクしたとのこと。

日原氏は伊豆大島の3つの椿園「椿花ガーデン」「都立大島公園」「都立大島高校椿園」の国際優秀椿園申請にも深く関わった方で、ヨーロッパの椿事情も紹介してくれました。椿はヨーロッパでとても愛されていてポルトガルには国内に13もの椿園があるし、スペインは街路樹に椿がたくさん使われているそう。

ポルトガルで見つけたヤブ椿の巨木も、紹介してくれました。

「国際間の交流を花が進めてくれたんです」と語っていました。

講演終了後は、様々な質問が続出!
途中で打ち切らねばならないほどでした(^▽^)

さて、次回、第7回目は「伊豆大島の海」
2月16日(火)の18時30分から 開発総合センター1階で開催されます。
講師は、大島海洋国際高校の千葉校長先生と、大島ダイビング連絡協議会の小川さんです。

ガイド認定試験を受ける方以外でも、どなたでも参加できますので、興味のある方はぜひご参加ください。
最新スケジュールはこちらをご覧ください。
http://izuoshima-geopark.seesaa.net/article/433621436.html

みんなで楽しく、伊豆大島ジオパークを学びましょう~。

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