島で「エベズ」と呼ばれる野生のブドウの果実を、ツアーでご一緒していたタクシーの運転手さんに「ほら」と見せてもらったのは、9月8日のことでした。

この時、私は「あ〜!熟している〜!!」と、たぶん異常に反応したはずです😅
なぜなら、ずっと熟すのを待っていたので。(しばらく忘れていたのですが)
思い返せば6月、海岸にツルを伸ばし始めた若葉を見つけたとき、「あっ、そうだ!シチトウエビズル(=エベズ)は伊豆諸島の固有種だった!」と思い出し、図鑑にまとめようと観察をスタートしました。

最初は蕾が多かったのですが、

数日観察すると、ぐんぐん成長。

雄花が次々と咲きはじめ、花粉をたっぷりつけたオシベが長く伸びて、とても華やかでした。
葉っぱの裏には、びっしり毛が生えています。

左隣にある、食べられない「テリハノブドウ」と比べると違いがよくわかります。

シチトウエビズルの毛は若いうちは白ですが、成長するとオレンジ色になることが多く、それが「エビ(海老)」の名前の由来だと言われています。

本土のものより葉の切れ込みが浅いのが、特徴だそうです。
ところで、この植物には、オスとメスがあるとされています。
私は6月に華やかな雄花を撮影したあと、「さぁ、次は雌花だ!」と探し始めたのですが……。全然見つからない!
「雄花が咲いているんだから、どこかに雌花もあるはず」と思い、2日に一度ぐらい見に行っても雌花の姿はなし。「なぜ一度に咲かない?」と謎は深まるばかり…
で、以前、熟した果実を見た記憶がある場所まで行ってみたら…

なんと、いきなり果実ができていたのです!
「えっ、雌花はいつ咲いたの!?」と、頭の中は???だらけ。
その後も探し続け、ようやく雌花に出会えたのは(認識できたのは)、7月21日のことでした。

雄花に比べ、すごく地味で目立たない花でした。
そして、そこから実が黒く熟すまでが、また長い…。
待ちに待って、ようやく9月に黒く熟した果実を発見できたのでした。

野生のブドウは、一斉にではなく、少しずつ順番に果実が成熟していく生きものみたいですね。
これって、動物たちに一度に食べ尽くされないための戦略なのでしょうか??
振り返れば、たった一つの植物に「いつ咲くの?」「いつ熟すの?」と、約3ヶ月も翻弄された今年の夏。(仕事、忙しかったのですけど〜😅)
今までは、派手なオスの花と熟した果実だけを見て、分かったつもりになっていたけれど、身近な植物のことでも、知らないことだらけだなあと、実感した夏でありました😅
「生きもの図鑑」に「シチトウエビズル」を掲載しました。
シチトウエビズル(ブドウ科) – いきもの図鑑|グローバルネイチャークラブ
(かな)